ふたりでつくる心地よい道具

雨晴「Shimoo Designさんの作品には、少し緊張感のある“シャープな直線”と色っぽくて“柔らかい曲線”が含まれていて、とても美しいなと。作品は、どのようにして誕生しているのですか？」

和彦さん「デザインについては自分が担当することが多いのですが、二人が納得したものではないと世の中には出さないと決めています。試作ができたらまず、さおりに見せます」

雨晴「さおりさんは、いつもなんとおっしゃるんですか？」

さおりさん「なんか、違う。笑」

和彦さん「そう、なんか違うってことに最初はだいたいなります。笑」

和彦さん「例えば、トレイの縁の反り上がりについてですが、1mm単位で角度を調整しながら試作を繰り返します」

さおりさん「そのたびに、なんか違うなあって。少し高さを変えようとかそういう話をしながら試作を進めていきます」

和彦さん「作品によっては数10回作り直すこともあります。そうして何度も試作を積み重ねた後に・・・」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

さおりさん「これだ！　しっくりきて心地よい。そう感じた時に“おかずさん”に伝えます」
※さおりさんは和彦さんを“おかずさん”と呼んでいます。

和彦さん「さおりには絶対音感ならぬ、“絶対ライン”の感覚があって、沢山ある線の中から一番良いラインを見つけるのが本当に上手なんです。このやりとりを経て、自分のセンスも磨かれてきたのではないかなと思っています」

雨晴「お二人の感性のコミュニケーションから心地のいい作品が作られているのですね」